なほ税理士事務所

2024.06.30 コラム

【個人事業】開業届を出したあと、確定申告までにやっておくと良いこと

税務署に開業届を提出して、なんとなくfreeeやマネ―フォワードなどの会計ソフトのアカウントは取得したものの…その後いったい何したらよいのか分からない!!

という方のために、本記事では
開業届を出した後、確定申告にむけてやることについて解説します。

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開業届を出したあとにやること

開業したばかりだというのに、確定申告に向けての準備なんて必要なんですか?

直前になってからで十分じゃないですか?

とお思いではないですか?

ところが、皆さんが思うほど確定申告はすぐにできません。
まずは確定申告までのスケジュールを見てください。

このスケジュールを見て分かる通り、確定申告書を作るための下準備として

  1. ①日々の取引の帳簿をつける
  2. ②決算書に集計する


という2つのステップをクリアする必要があります。

「帳簿をつける」というのは、具体的に簿記」というルールのもと集計するという作業になります。

簿記と聞くと少しハードルが高いですよね。

ですが、会計ソフトの力を借りれば①と②の作業が簡単にできるようになります。
開業届を出したらまずは会計ソフトを導入しましょう。

日々の取引の帳簿をつける

おすすめの会計ソフトはマネーフォワードクラウド確定申告です。

マネーフォワードクラウド確定申告(以下、MF)に銀行口座やクレジットカードをつなげて、入力しなくてもよい環境を作ります。

よく出てくる取引は会計ソフトに覚えさせて「ボタンを押すだけ」状態を作ります。

何事も最初が肝心と言いますが、会計ソフトにつなぎやすい経理環境をいかに整えるかが、確定申告を成功させるキモとなります。

経理環境を整える

MFを例とした経理環境の整え方をご紹介します。
他のクラウド型の会計ソフトでも基本は同じですのでご参考ください。
項目ごとにポイントをまとめました。

通帳

会計ソフトにつなぐために、銀行口座はネットバンキングの契約をしておきましょう。

日々の入力の効率化に関わりますので、多少手数料を支払ってでもネットバンキング化しておくことをおすすめします。

事業専用口座というのは、プライベート口座と完全に分離された口座のことです。

個人事業主の方の場合は、屋号付きでなくても良いので新しい銀行口座を一つ作りましょう。
理由は3つあります。

①税務署にプライベートな取引を見られてしまう


考えたくはないですが、税務調査のときには通帳の取引もすべて税務署に確認されます。

プライベートな入出金について根ほり葉ほり聞かれるのは気分のよいものではありません。

事業用の口座に事業用のものだけ集約しておけば、プライベートな口座を税務署にみられることはありません。

入力の手間が減る


たとえば、スターバックスでの打ち合わせが多い方は、「スターバックス」=「交際費」と会計ソフトに覚えさせたいですよね。

ところが、プライベートでスターバックスを利用したときにも「交際費」と表示されてしまうと、手動で経費から除外する手間が増えてしまいます。

事業用のものは事業用の通帳で管理すると、そのような区分けをする手間がなくなります。

③銀行の印象が悪くなる


今は借入を考えなくとも、事業の成長に伴い銀行からの借入を検討する場面が訪れるでしょう。
そのとき、通帳に事業用とプライベート用がごちゃまぜになていたとしたら、印象は最悪です。

事業用のお金とプライベートのお金を分別できていない

お金を貸してもプライベートの資金に使われる

信用に値しない

と思われてしまうからです。
銀行を味方に付けられるかで事業の成功率に雲泥の差が生まれます。

事業を開始した今だからこそ、事業とプライベートを分離させる仕組みを作って
信用財産を築いていきましょう。

クレジットカード

事業専用のクレジットカードを作る理由は、通帳の事業専用口座を作る理由と同じです。
ポイントもためられるのでお得ですね。

売上関係(請求書やレジデータ)

レジが必要な方は、クラウド型のPOSレジを導入することをお勧めします。


会計ソフトにつなぐとレジ打ちした情報が自動で簿記の形で取り込まれていきますので、
別途会計ソフトへの入力を省くことができます。

請求書を発行される方は、会計ソフトに連携が可能なシステムで請求書を作成することをお勧めします。

〇MFの例
会計ソフトに請求書を作成できる機能が標準でついています。
請求書機能を利用して請求書を作成すると、自動で会計データが作成されます。(入力しなくても良くなる)

支払関係(現金払い)

現金払いを減らしたほうが良い理由は、会計ソフトにつないで自動化できず、手入力の負担が増えるからです。

その他にも、支払の履歴が通帳に記載されないので銀行からの印象は良くありません。

どうしても現金での支払いが必要になる場合は、レシートをもらっておいて後で入力できるようにしておきましょう。

会計ソフトを導入し環境を整えたその後は…

会計ソフトに銀行口座やクレジットの取引が自動で記録されるようにしたら、簿記のルールに即した設定を覚えこませていきます。


なほ税理士事務所では1時間5,500円にて、設定のサポートやその後の会計帳簿の作成の仕方などのご相談を賜っています。

平均して大体4~5回のご相談で確定申告までの帳簿づくりの仕組みが出来上がります。


開業したすぐだからこそ、正しいやり方を身に着けて自分で確定申告できるようになってみませんか?

それでは、次のコラムをお楽しみに!

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